頭の悪いパナシ 37 – 曲の好き嫌い良し悪し

10分トーク『Nacky × DJ TECHNORCH – 頭の悪いパナシ』の37回目です。

●beatmania/DDRが強引に興味のない音楽を千回近く聴かせてくれたので全部好きになった
●音ゲーはジャンルのカタログ本
●子供の頃からやっているゲームの音楽も同様に聴きすぎて大好きになってしまう
●千回聴かなきゃ好きにならないような曲ってそもそも良い曲なのか?
●それとはまた別に一聴き惚れの音楽がある
●一聴き惚れの音楽は意外と30回で飽きちゃう曲があるけど、千回聴かされたゲームソングはもう飽きることができない
●それって美人は3日で飽きるってこと?
●劇伴はそもそも作品を邪魔しないようになっている(あえて美人にしない)
●ゲーム・作品中で一番盛り上がっているシーンの音楽に強い思い入れが
●それはつまり「物語がない一枚絵は買わない」ということ?(音楽のエピソード記憶)
●エロゲーの「一番イイ」シーンのBGMは強く印象に残るのか
●今の子供達にとってYoutuberの著作権フリーBGMは一生の思い出になるのだろうか

DJでありラジオパーソナリティでありレーサーでもある私の心の師匠、
ピストン西沢がよくやる傾向として
「一発屋みたいな流行りかたをした曲を、ブームが去った後にわざわざかける」
というのがあります。

再評価してるみたいで、これはこれで良いんですよね。
それと同時に、その曲に対する思い入れが感じられます。
世間の評価なんて関係ない、俺は好きだからかけるんだ、という感じ、ね。
(たぶん本人はそんな言い方しないと思いますがw)

2017年にもなって安室奈美恵のTRY MEとかかけないだろう普通w

受け取る人によって文脈が異なるんだから
「曲の良し悪し」と言われるものは、曲そのものの絶対的評価ではなくて、
じつは「私はこう思った」という、すごく各自の内面に依拠したものなんですね。

なので、万人の文脈に入り込んでいった「ヒット曲」ってのは、なかなかすごいと思ってます。
また、ヒットさせたかったら受け手側に文脈を植え付ければ良いので、
ストーリー性に乗っかったプロモーション展開や劇伴(ドラマ主題歌でもいいです)というやり方は
「曲そのものの絶対的評価で流行る」ことを最初から破棄してるんですね。
というかそうしないと流通しないしね。

そういう文脈に依拠した感動だとか評価をしているにも関わらず、
「この曲はいい」
みたいな言い方をしてしまうのは、なんだろうね、
自分の文脈を隠してる、照れ隠しみたいなもんなのか?

しかしその文脈前提であった曲の聴き方を、
あえて他の文脈にぶち込むみたいな行為が、前述のピストン西沢であり、
アニメやゲームの劇伴であった曲をバラエティ番組の関係なさそうなコーナーに使用する行為なんですなぁ。

それはそれで、新しい世界が開けるかもしれなくて面白い。
曲そのものの再評価のきっかけを与えてくれるとも考えられる。

頭の悪いパナシ 36 – 分ける概念と線

10分トーク『Nacky × DJ TECHNORCH – 頭の悪いパナシ』の36回目です。

●トイレットペーパーのミシン目、列を期待する床面のライン
●境界は意識の中にある、境界を守る美意識、文化
●あえてボーダーを破ってみたらいろいろ見えてくる
●見えない線を意識する楽しさ、赤道
●概念を形に落とし込む、落とし込まれたモノから概念を感じ取る

※場外ホームランが曲がってファウルにはなりません。左右ポール間を通過しているのでホームランです

概念としてはキッチリなんだけど、現実的にはアバウトな感じ。
「いい具合」に済ませておいてくれ、というのは、世の中いたるところにありますね。

線は、なんかすごいなぁ、物事を分けられてしまう存在なんだもの。


↑神戸空港の「線」

線に従って動けば予定通りになるように設計されているし、
その通り、線に従って動くことで予定通りになる。
当たり前なんだけれども、それを完遂するために「線」がある。

その一方で、線は厳密だけれども、
線に従うことの周りにはある程度の曖昧さが許容されている場合もある。

線はすごいなぁ。

「ラインズ 線の文化史」
↓こんな本出てるんですね!

レビューを見てると

「歩くこと、物語ること、歌うこと、書くこと、生きることは線を生むことだ。」

なんてあって、とても興味がわきます。

頭の悪いパナシ 35 – 好きこそものの上手、でも

10分トーク『Nacky × DJ TECHNORCH – 頭の悪いパナシ』の35回目です。

●「パソコンが詳しい」ということの認識への激しいズレ
●OS/ネットワークのプロにExcelのマクロを頼む
●作曲プログラミングの音楽講座では作曲への情熱よりも作曲プログラミングへの情熱が半端じゃない人達が集まる
●「コピーバンドしようぜ」→ギターエフェクターマニアになる人
●ある世界の大分野における下位全ジャンルのプロはおらず、凹凸がある
●「DTMに詳しい人はパソコンに詳しい」という謎の幻想
●私達は言葉の響きに引っ張られて大体勘違いしたまま会話する
●「ネットワーク・ポート開放なんてググったらそのまま書いてあるじゃん」→「そんなの見てもわからないよ」というお互いの勘違い
●「音楽に詳しい」「パソコンに詳しい」「マンガに詳しい」更には「オタク」という漠然とした言葉への思い込み
●Nackyさんが起こしていた「圧倒的に時期が早かった(2003年)」リアルタイム配信(VJスクリーンへのコメント反映式)のクラブイベント

リアルタイム配信イベントは「Re:(response)」ですね。今はもうサイトがない。

動画ストリーミング配信とIRCチャットの組み合わせで、
クラブの外とも相互にコミュニケーションしようというコンセプトのイベントでした。
まだYouTubeもUstreamもニコニコ動画も無かった時代です。

当然ながら、イベントをする側も、イベントを楽しむ側も、
それ相応のITリテラシーが求められました。

当時は2chでflash職人や、クラブ板からムネオハウスが出てきたり、
P2Pのファイル交換ソフトもたくさんあって、
なんか自然にみんなITリテラシーを身につけていたような気もします。(欲望のエンジンで)

プログラマーは、確かにコンピューターに詳しそうに見えるけど、
ハードウェアは知らなかったり、
自分のプログラムじゃない、WordやExcelは全然ダメだったりします。
PhotoshopとかAdobe製品はもう全然違う世界。

でもプログラマーだからパソコン詳しいでしょ?Excelの操作教えてーって言われたりする。

DTMやってる人はパソコンが必須、パソコンに詳しいはず
だって自分がDTMやっててパソコン詳しいから。

と思い込んでいるので、「あれ?テクノウチさんそれわかんないの?」ってね

だからといって、「わからない」を言うことを躊躇しないで欲しいんですね。
だって私は「わかってるもんだ」って思ってるから。
「わかんないんですよ」「ええー意外!」というやりとりは発生するでしょうけど、
だったらそれなりに話しますから。

私たちは、みーんな、「完璧じゃない」んですね。
自分だってこんなに不完全(むしろ抜けありまくり)なんだから、
同じ人間、相手だってどっかしら不完全ですわな。

頭の悪いパナシ34 – 創作におけるソロと分業

10分トーク『Nacky × DJ TECHNORCH – 頭の悪いパナシ』の34回目です。

●創作(オリジナル)同人誌は読んでみないと内容がほぼ何もわからない
●エロパロ二次創作同人誌は「#ナルト#ヒナタ#SM」というタグと表紙絵だけで内容の8割が把握出来る
●創作漫画の内容周知に比べるとエロパロ二次創作は誰(ナルトとヒナタ)が何(SM SEX)をするかが非常に周知しやすい
●ネットで周知(バズ)には4コマ漫画や異常にインパクトのある1コマが偏って強い
●何のために分業制があるのか
●マンガには代表作家の名前が書いてあるが、そこには編集・校閲・営業・配本の商業活動が乗っている
●個人でやっている限り、全ての作業を一人でやる必要があるのでリーチ範囲が違いすぎる
●表紙を見ただけではどんなマンガかわからないマンガの周知こそ、企業努力(マンガ出版社)が必要
●創作オンリー即売会にいる絵か物語どちらかに極端に秀でている人に分業して欲しい
●天原(天原帝国)さんは自分で絵を描いていて何冊も出版しているのにも関わらず、自分が原作を担当して別の作家に作画を分担
●(他ジャンルとはいえ)同じ創作家とすると、自分で描けるのにあえて別の作家に作画をしてもらうという決断は驚異的

※原作 天原 / 作画 masha : 異種族レビュアーズ http://seiga.nicovideo.jp/comic/22885

一人でやるよりもみんなでやったほうが各自がラクだし全体のクオリティも上がるけど
そのかわり、みんなの合意が必要だし、売上げを考えるとより多く売ることが前提になる。

まんま、「会社」の仕組みですね……

周知が簡単なのは、既存製品の延長上にある、ちょっとだけ新しいモノ。
完全に新しいモノは、それが何であるかを理解してもらうのに苦労する。

これもまた同人誌とかに限らず、ビジネスでもよくある話ですね。

でも、新しいモノを生み出すエネルギーって、見てて楽しいんだよなぁ!

しかしまぁ、DJテクノウチ、いろんな作家さんとか話とか知ってますねぇ
話してたときにも驚いてましたが、こうやって編集して出てきても驚くw
多様なインプットが作品のアウトプットに繋がっているのを改めて感じます。

頭の悪いパナシ 33 – 物語は想像を呼ぶからより楽しい

10分トーク『Nacky × DJ TECHNORCH – 頭の悪いパナシ』の33回目です。

(今回若干あやふやなまま喋っているかも、と考え冒頭に注釈を入れました)

●日本で言えばpixivにあたる、世界最大のオンラインアートコミュニティDeviantArt(dA)のお話
●dAの公式アプリのシェア機能では何故あえて「画像転載」の形式を採っているのか?
●逆にいうと何故pixiv公式アプリの画像転載機能は削除されたのか?
●dAの大体のイラストのページには「紙で出力して買う」項目がある
●そしてかなりのイラストレーターが「パトロン制度」を導入していて、一枚絵をそのまま大出力で販売することも想定している
●もしかしてdAでは最終目的が「購入」にあり、画像jpgは告知にあたるのではないか?
→そうすると画像転載は広告拡大にあたるのかもしれない
●一枚絵→即購入に向かわないpixivでは「見る→いいね!を押す」が最終目的となり
→その場合画像転載では正に作品コピーにあたるのかもしれない
●なぜ日本では素晴らしい一枚絵→購入には向かわないのか
●コミティアで出会ったイラストレーターさん達の「画集が売れないのでマンガにする」という悩み
●やっぱり美しい一枚絵・画集よりも物語が乗っているコピー本の方が好き
●コレクション→編集→紹介が大好きなDJ TECHNORCHさんは毎日dA/pixivのオススメ絵をTwitterで紹介し続けています

DeviantArt : http://www.deviantart.com/
パトロン制度 : https://www.patreon.com/Kuvshinov_Ilya
(「現在のパトロン収入は[30万円/週]」などと表示されると日本人イラストレーターと
コンタクトを取る機会が多い身としてはただただ驚愕します)

DJテクノウチ、冒頭に注釈を入れてきましたねw
まぁ、話がちょっと繊細なところなので、わかります。

前半はモノが欲しいのか中身を見たいのか、のバランスの話と言っていいのかなぁ。
同人誌もpdfやオンライン媒体で読めたりするけど、即売会で紙の本を売ってたりしますよね。
音楽もデジタル化してるけど即売会M3なんか盛況ですもんね。

でも、dAとの比較で考えると、作品自体というより作者を応援する感じもあるんだなぁ。

後半のストーリーの部分については、仮説として、

受け取る側が想像して楽しめるあたりまで含めて作品として見なして買ってる、という面があるかも。
1枚の画で楽しめる人もいれば、ある程度のストーリーと世界観を入力してもらわないと楽しめない人もいるし、
おそらくストーリーが付随している方がより大きな想像を得られるから、より楽しいのかも。

ビジネス、セールス、創成なんかの領域でも
「ストーリーで新しい物事を考える」「ストーリーで共感を呼ぶ」
みたいな話は出てきてます。
が、個人的にはなんかまだぶっ飛んでて紹介しづらいんですよねー(といいつつ貼っておきます