頭の悪いパナシ 47 – 物語は評価軸になるのか

10分トーク『Nacky × DJ TECHNORCH – 頭の悪いパナシ』の47回目です。

●結局格ゲーの世界大会にも超絶技巧ではなく「プロゲーマーの物語」に感情移入しているという話
●格ゲーの世界大会 EVO 2017について
●既にプロゲーマーに熱中し過ぎて「ゲーム的な超絶技巧:人物の物語=50:50」になっている
●絵であれ音楽であれゲームであれ、私達にとってそこに乗った「物語」の重みは大きすぎる
●甲子園であれなんであれ「**選手は幼少の頃に母を亡くし…」とか言われると無視しきれないのが我々
●逆に相手選手の人間性を無視して超絶技巧だけを見ていると相手がロボットのように感じる
●スクラッチDJの世界大会DMC DJにおいても、毎年大会DVDを買っている人は相当にDJの「物語」に思い入れがある
●超絶技巧の小学生DJ RENAとそれと同じレベルの成人DJが同じような音を出したら「音だけを聴いて」私達は公平にジャッジ出来るのか?実際にそれがあった
●DDRのフリースタイルパフォーマンス大会で、小学生女子が現れた時、ただ高難易度をクリアするだけで賞賛の嵐、そういう風になるのが私達普通の人間
●アイドルはむしろ技術よりもその「物語」をどう高めるかの勝負にもなっている、24時間TVでマラソンのタイム短縮を考える視聴者は少ない
●私DJ TECHNORCHは同じ一人の人間の中に技術力だけでカウントしたいジャンル(イラスト)と物語を大幅に乗っけてカウントしたいジャンル(音楽・ゲーム)がある

―これまでにした「物語がある/ない」というパナシ
パナシ33 : 物語のない絵は売れないのか?
パナシ37 : 物語のある音楽/ない音楽

点数で競うタイプの競技なら点数が全てですけども、
審査員の判定だとか、会場からの投票制となると、
「点数に表れるような実力」だけじゃなくて、
その人のこれまでの話だとか、別の活動による人気だとか、
その人にまつわる物語がとても重要になってきますよね。

商売の世界だと「良いモノなのに売れないのは、物語が無いからだ!」
なんて言ってるコンサルタントがいますが
実際そうだと思います。

老舗のお菓子だとか、お土産物だとか、
ある程度のレベルがあれば美味しいし、逆にどこにいってもそのレベルのものはあるのに
地方性とか希少性とか物語によって売れる売れないが決まったりしますよね。

逆に考えると、
そこまで絶対的に美味しいもの、価値のあるものっていうのは
無いのかもしれません。

絶対的価値を見るなら金塊でも買えという話でしょうかね。

「まずい」で売れたラーメン屋、彦龍とか
もはやラーメンそのものの価値は関係ない感じですもんね。

ストーリーがあるからファンができる
ファンがよりストーリーを加速する

商品、作品の実力、価値と、
ストーリーは
両輪として働くものなのかも。

頭の悪いパナシ 46 – 思想エネルギー伝達物質

10分トーク『Nacky × DJ TECHNORCH – 頭の悪いパナシ』の46回目です。

●作曲家でもあるDJが自分の曲をプレイする時の「アウラ」と異なる何か
●とりあえず適当に自分の曲をプレイしておこう、と入念な仕込みとエネルギーの込めてからの(結局同じ曲の)プレイの違い
●これはもしや、自分の曲に「ありがとう」というと良い曲になる?のか
●「水にありがとう」は直感的に違うと感じるのに、作曲者本人の自曲プレイ、エネルギーを込めた楽曲プレイには直感的は随分違和感がない
●「アウラ」周辺のエネルギーを消すためのDJ Nackyの努力
↓DJが現場に一切いないクラブ内でのリアルタイムストリーミングDJプレイ
↓しかしNackyのプレイ時のみストリーミングはフェイクで録画
↓画面にはストリーミングを引き継いでNackyの録画DJプレイが流れているのに現場にはなんと
●「アウラ」周辺のエネルギーを消すためのDJ TECHNORCHの努力
↓GRAVITY FIELDという秋葉原MOGRAでのイベント
↓法律の範囲内で可能な限りのクラブ内全消灯とブラックライト
↓とにかくDJが見えない、誰かわからないDJのノンビートDJ
↓次のDJにもステージには上がらずフロアの隅っこでPCDJしてもらう
↓今ながれている曲がDJかBGMか録画かリアルタイムかわからなくしたい
↓全部その通りやった、意図自体も伝えない
↓Nacky「DJ TECHNORCHは黒ミサがしたいんだね」
●逆に巨大化したフェスでは照明・火器・映像全てを同期するために決め打ちをさせるDJが多数
●そしてそれを「DJ FAILS/FAKE」シリーズとして徹底追求する嘘発見動画シリーズが山ほどある
●初音ミク・ボーカロイドが投影スクリーンで踊る時にバンドが全く後ろについていない曲がある、この時のファンのエネルギーはどこに持っていっているのか

※DJ FAILS/FAKEシリーズの動画例 : "David Guetta is a FAKE!!!!!!!!!!"

クリエイティブな意識、意思(、意志?)は、作品・演技を媒介して人に伝わるが、
果たしてそれだけなのだろうか?

アウラのような、アウラでもないような、何かしらのクリエイティブなエネルギーは、
人と人の間でどのように伝わっているのだろうか?
というかそんなの存在するのだろうか?

再生ボタンを押すだけの、ライブ感を取り去った(アウラを消し去った)演出であっても
何か、感じるものがある。
これって、どういうことなんでしょう?

IngressのエージェントとしてはXM(エキゾチックマター)と言ってしまいたいですがw

例え現場では再生ボタンを押すだけだとしても、
そこに至るまでにしっかりと仕込んできてるわけですから、
その創造性が現場で広がって伝わっている、と考えることはできないかしら。

伝わる、というよりは、共有しているというほうが良いのかしら?
となるとユングの集合的無意識なんかが気になってきます。
集合的無意識 – Wikipedia

ルパート・シェルドレイクの仮説、形態形成場仮説なんかは、遠距離での実験ですが、
もしこれがあるなら、近距離ならなおさら?なのかしら。
シェルドレイクの仮説 – Wikipedia

頭の悪いパナシ 45 – アウアウラー

10分トーク『Nacky × DJ TECHNORCH – 頭の悪いパナシ』の45回目です。

●アウラとは(ヴァルター・ベンヤミン 1936年) http://artscape.jp/artword/index.php/…
→機械的複製によって芸術作品のコピーを大量生産することが可能になった時代において、オリジナルの作品から失われる「いま」「ここ」にのみ存在することを根拠とする権威のこと。
●デジタルイラストレーター達が「アウラが失くなった状態」からどうアウラを捏造していくかの奮闘
●元がPhotoshopだと分かっているメートル単位の巨大印刷に十万円の価値をどのように見出すのか
●巨大印刷にした後、立体的に絵を継ぎ足してデータでは表現出来ない作品にしてみたり
●Pixivにアップロードしている段階のJPGでは価格0円からスタートしているのに
→巨大印刷にした段階で数万円の価値があるともっていくのは非常に大変
●その芸術を表現するために必要な時間と、それ単体の価値
●ライブペインティングをするデジタルイラストレーター、向き不向きがすごい
●似顔絵つくります、という闘い方
●デジタルアート+アナログつけたし、に感じる冷たいご飯を温め直す感じ、そしてふりかけ
●しかしそのふりかけには間違いなく時間がかかっている
●作曲家でもあるDJが、DJ中にただ自分の曲をポンだしした時、何故私達は嬉しいのか?
●時間の共有はアウラという単語とは別の価値がある
●Kraftwerkは毎日ほぼ同じ演奏をするけれどそれで120%喜べてしまうDJ TECHNORCH
●でもそれと同じ音を全く同じ空間でただスピーカーから再生されてもチケット代一万円は払わない

※ベンヤミン / 複製技術時代の芸術作品 精読 (岩波現代文庫)

いきなり貼りますが

ベンヤミンと初音ミク。
え?なんで?と思ったら是非ご一読を。

DJテクノウチは精読、のほうを読んだようですが

私が学生のときに読んだのは確かこっちだったと思います

なんか読みやすさが違うらしい(両方読んでないのでわからんけど)

レビューにも出てますが、確かに難解なのですよね。
完全に抽象的な概念で読んでもわからない、
当時の歴史背景やベンヤミンのたどった跡を読み解きながら読むと、
なんだか偏りを感じるところもある。

ベンヤミンのメッセージ ―― 希望の倫理へ | ちきゅう座

ユダヤ系ドイツ人で、二度の大戦を経験する中で、
権威主義的な社会や戦争に反対していたところも、加味すべきなんでしょうか。

ヴァルター・ベンヤミン – Wikipedia

今は複製技術よりも前に、制作の手法自体がデジタルで追体験可能、複製可能なのですよね。
でも、同じツールとデータをなぞっても作者の「創造性」はなぞれるのか?
AIが画家の絵を学習して出してきた絵にアウラはあるのか?
最初からフィルムとしてしか存在できなかった(非演劇である)アニメーションにアウラはあるのか?

テーマを設定したらいくらでも話せますねコレ。

頭の悪いパナシ 44 – 時間パラメータ全振りしてみたい

10分トーク『Nacky × DJ TECHNORCH – 頭の悪いパナシ』の44回目です。

●「このぐらいのテクなら1日5時間練習すれば出来るんだよね」
●それが出来ないからどうやったらいいのか聞いたのに!
●仕事絵を描く休憩に趣味の絵を描く超人達
●それが描けるならその時間に仕事が絵が進むのに
●違うんだ、休憩の絵っていうのは意味としてこんなに違うんだという「絵」を描く超人達
●他人のために絵を描く時間と、自分のために絵を描く時間は本質的に質が違う
●しかし好きと仕事が合体し過ぎているとそれは他人には区別がつかない
●トップS/A/B級バイオリニストの統計的な練習時間の比較では、個人練習と団体練習の時間の合計は同じだが中身は…
●何故S級にそれが出来るのか「好きだから」
●専門分野の学校では一番得意なことは勉強しに行かない(超人に師事しに行きたい場合は除く※東京芸大など)
●一番好きな得意なことは一人で練習出来てしまう
●DJ TECHNORCHは「やりたくないから」英会話スクールへ行く
●やる気のある部分とない部分の凹凸で、どう自分を前に持っていくのか

※橘玲 / 幸福の「資本」論 ― あなたの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」 https://www.amazon.co.jp/dp/4478102481/

まずDJ FAMILYについてはこちらで。2分でも十分わかる!

「好きこそものの上手なれ」
どんなことであっても、人は好きなものに対しては熱心に努力するので、上達が早いということ。
好きこそ物の上手なれ – 故事ことわざ辞典

これを逆手にとって(?)
「好きでやってる(ことになってるんだから)何時間だってできるでしょう!?」
というエンドレス残業になったり

でも、仕事でも趣味でも同じ作業をしてたりする人もいる。

全ての人間に平等なのは「時間」であると、
どっかで読みました。
正しいと思います。
天性の才能も、生活する環境も、人間はみんな異なりますが、
時間の流れだけは平等ですね。

だから、時間をどうやって使うのか、
その使い方にその人の個性が表れるような気がします。

1日5時間、○○に時間をつぎ込み続けるだけの覚悟はできているか?

そういうことかも。

好きなら自らを律して5時間やることもできるけど
英会話スクールみたいに、お金を払って自分を強制的にその環境に置くこともできますね。

時間の使い方というのは、
パラメーター的には何かに寄せてみた方が楽しいのかもしれない。

頭の悪いパナシ 43 – 転売がダメな領域なら対策すればいいのに

10分トーク『Nacky × DJ TECHNORCH – 頭の悪いパナシ』の43回目です。

●チケット転売とダフ屋行為のお話
●安く手に入れて高く売りさばくことは通常の行為だけれど、どういう不備があるから問題と感じるのか
●困っているバンドマン達はノルマのために自分でチケットを買ってタダで友達に渡している
●バンドマンのノルマ制の苦労
●2000円1Drink制と書いてあっても2000円にドリンク代が入っているかはライブハウスとクラブで事情が違う
●NBAのシーズンチケット制と行かない時期にダフることをチーム側が承認している国
●完売しているけれど座席がスカスカなコンサート
●定額オークションサイトとは

会場にその日に入る権利を得るものなのに
紙の商品の流通になっちゃうから
面倒なことになるんですよねー。
何かしら対策できちゃうはずだけど、いきなりガラッとは変えられない。

家庭用ゲーム機のゲームソフトも、ほとんどダウンロード販売になっちゃって
中古販売もなくなれば在庫切れという事象もなくなって
友人に借りパクされることもなくなってw

でも従来の問屋からの販売業者が困るからDL権は紙に込めて売ってるんですってね。

「安く仕入れて高く売る」のは商売の基本なのに、それが許されない。
本来は「安く仕入れて」と「高く売る」の間に、その人たちの「仕事」が入るのに
ダフ屋行為はそれがそんなに無いって解釈、感覚なんですかねぇ。

雰囲気悪くなるみたいなのもあるとは思いますが、
だったら公式でダフ屋行為を認めて主催者側がやっちゃえばいいのにー
みたいなことも考えられるんですけど

やっぱりガラッとは変えられないんでしょうなぁ。